フォトフェイシャル=光(IPL)治療とレーザー治療の違いについて
①波長(光の長さ)と ②パルス幅(レーザー光の照射時間)が異なります。
この2つが異なることで、治療できるシミの種類や術後の回復時間(ダウンタイム)も変わってきます。
レーザーの波長の種類は大きく分けて3つ
レーザーには大きく分けて
- コラーゲン(水分)に吸収されるもの
- メラニンに吸収されるもの
- ヘモグロビンに吸収されるものという3つのタイプがあります。
レーザー治療は、こうしたレーザーの特徴を症状によって使い分けて行います。
例えば毛穴やシワに対するレーザー治療は、コラーゲンに吸収されるレーザーを使って刺激し、コラーゲンを増殖させることで解消しようとするものです。
シミを肌表面だけでなく、根本からなくしたい場合はメラニンに作用するレーザーを用います。また、肌の深いところ(真皮上層部)に熱を加えてコラーゲンを生成することで肌を若返らせたり、毛根を破壊して永久脱毛をしたりします。
波長を使い分けることで、「シミ」「たるみ」「赤ら顔」「毛穴」「脱毛」など幅広いお悩みを解決することができます。
対して光治療は、IPL(Intense Pulsed Light)というカメラのフラッシュのようなマイルドな光を使って行います。レーザーが1つの波長を持つのに対し、光(IPL)は515~1200nmの幅広い波長を持つため、何かひとつの症状ではなく、シミ・そばかす・小ジワ・ニキビ痕、赤みなどの複数の症状に同時に働きかけることができます。
治療の目的を絞った場合、光治療よりもレーザー治療の方が効果が高く、その分ダウンタイムが長く副作用のリスクも高くなります。
症状 | レーザー治療 | IPL(光治療) |
赤ら顔 毛細血管拡張症 |
ロングパルスYAGレーザー(1064nm) | IPL(500~1200nm) |
しみ そばかす |
QスイッチYAGレーザー(532nm)(1064nm) ピコレーザー(532nm)(730nm)(1064nm) ロングパルスアレキサンドライトレーザー(755nm) |
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毛穴の開き | ロングパルスYAGレーザー(1064nm) CO2レーザー(10600nm) |
パルス幅とは
光の照射時間のことです。
0.1秒、100万分の1秒と、その時間は光やレーザーによりさまざまです。パルス幅が長いと光の影響が周囲にも広がりやすく「浅く広く」効果が作用し、短いとターゲットにピンポイントに「深く狭く」アプローチすることが出来るためピークパワー(破壊力)が増します。
レーザーは、パルス幅が短いため「熱が広がりにくい」「深い位置のシミに作用する」「威力が強くなる」という特長があります。シミ治療の場合は、熱がメラニン以外の部分に広がらないようにパルス幅が狭いレーザーを使うのが適しています。
ピコレーザー、Qスイッチレーザー、ロングパルスレーザーの順にパルス幅が長くなります。
脱毛効果ややハリ感を出すにはロングパルスレーザーを選択します。波長とパルス幅の組み合わせで、様々な治療が可能です。
シミに対してはシミの種類によって向き不向きがあるので、正確な診断の元に治療を行なうことが最重要となります。基本的には大きくて濃いシミやアザにはQスイッチレーザー、薄くて淡いシミやタトゥーにはピコレーザーを使用するケースが多いです。
多くの場合数種類のシミを併発していますので、治療法も併用する可能性が高いです。同じ顔にあるシミでも、平坦なものであればQスイッチやピコレーザーでの治療が可能ですが、盛り上がりのあるシミであればCO2レーザーで削る必要があります。CO2レーザーは黒子やイボを取るのにも使用します。
レーザー治療は、この波長とパルス幅の組み合わせにより、治療できる肌トラブルや施術後の回復期間(ダウンタイム)なども変わってきます。
光(IPL)治療はレーザーに比べ、パルス幅が長いため、「熱が広がりやすい」「浅いシミに有効」「威力が穏やか」という特長があります。
光を照射するターゲットの周囲の皮膚にも光による熱が広がることで細胞が活性化させれ、お肌を若返らせる効果があります。
施術時間も短く、お肌へのダメージも少ないので、施術直後から洗顔やメイクが可能で、とても気軽に美肌効果を得ることが出来ます。様々な症状の改善が可能ですが、レーザー治療に比べるとマイルドな効果になります。その分施術後に炎症や色素沈着などのトラブルが起きにくいのも魅力です。